キ ミ イ ロ













ずっとケータイを眺めてると、


「…涙、」
とお母さんの声が頭上から降ってきた。




ちらっと見ると、お母さんは前を見たまま


「そんな指輪、してたっけ?」




と言った。






──・・・指輪?
パッと自分の手を見ると、見覚えのない指輪が小指にはめてあった。




なにもきざまれていない、シルバーリング。


「……もらった…、たぶん」








わかんないから適当に答えた。
もらった……?




だれに?
愁か?
早妃か?


自分で買った?
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