キ ミ イ ロ
「涙、って呼んでい?」
─・・・そうか。
この人は自分の兄貴になるんだ。
「……別に構わない」
「じゃあ涙、今日からよろしくね」
って、部屋を出て行く。
「…敷浪櫂!!」
とっさに呼んでしまった。
訊いてないことがある。
「ん?どーした?」
「…なんて呼べばいい?」
目を逸らしながら訊いた。
恥ずかしかった。
「櫂兄がいいなっ」
……櫂兄…?
仕方ない。
「……櫂兄」
「うん」
櫂兄はホントに優しく笑う。