キ ミ イ ロ
















「失礼します」




アイスティーを一口も飲むことないまま、
走り出した。






店から出て、駅内に走り込む。


切符売場まで来たとき、電車の走り出す音。








妙に、田舎を思い出す。
なにもない、まっさらの空。
夜空に浮かぶ、華やかな花火。





いつも隣にいた、あの人。











──・・・きっとそれは、







ほら、あの人。




黒い癖毛の、大好きなあの人。
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