キ ミ イ ロ










その笑顔に、嫌気がさす。


その笑顔、見てて困る。




「もーすぐご飯だから、後でね」


そう言った櫂兄は、部屋から出て行った。




「……………」


部屋が静かになる。



まばたきをする度に、櫂兄の笑顔がまぶたの裏に映った。




その笑顔を見るのも少なくなるだろう、きっと。



だって


──〜♪


「……はい?」


「あ、涙?夜遊べる?」



自分は、


「……うん、いいよ」



人間の中で、“不良”っていう、立場にいるんだから。




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