キ ミ イ ロ
開けたとき?
痛くなかった。
なんか耳にプラスチックが当たった感じ?
そんな感じ。
「涙ん家、再婚したんだろ?嬉しい……わけないか」
「当たり前じゃん」
愁は女子に人気だった。
告られたことだって数多い。
だけど誰かと付き合ったのはたった二回。
もったいないと思う。
んで、愁はよく自分なんかにつるんできてくれた。
大事なバンド仲間。
「兄弟とかできた?」
「兄貴が一人、一個上だよ」
駅から少し離れた、夜間営業のゲーセンで、早妃ともう一人、和真と約束してるらしい。
そこのゲーセン、そこら辺にうろついてる奴らに持って来いの場所。
自分たちもよく利用してる。