キ ミ イ ロ
思い切り息を吸った。
「子どもが何を言っても変わらないんだ」
とだけ。
“子どもが何を言っても変わらない”
どーせ本音を言ったって、櫂兄も変わらない。
そんなんだから、自分の感情を隠すんだ。
本音を言ったところで何も変わらないなら、自分を塞ぎ込んだ方が楽だ。
「だから、言わないの?」
「そーだよ」
表情にも出さない。
気を許してる奴らは大抵の奴らのみ。
そう決めてるんだ。
「………涙、帰ろっか」
そう言って櫂兄は歩き出した。
──・・・ほら。
予想通りだ。