キ ミ イ ロ












「……ごめん」


自分で自分がわからない。
とにかく落ち着きたくて、教室を出た。






──キーンコーン……

授業が始まったチャイムだった。


階段を上って、屋上の扉前。
キィ、とゆっくり開けると、そこに空があった。



「………はぁっ…」


気が動転してた。
リストバンドを思い切り握った。



──・・・とまれ。
震える腕をとめようと、リストバンドを無造作に外した。

そして思い切り地面に腕を打ちつけた。



「……とまれっ」

打ちつけた腕に、血が滲む。




と、そのとき


「涙っ?!」



誰か来た。




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