キ ミ イ ロ













──────


「……お帰りっ」


愁と教室に戻ったときには、授業は終わってた。




「ん」


ちゃんとリストバンド装着。
でも、さっき打ちつけたところの範囲が大きすぎたから、帰ってくる前に保健室に寄って、ガーゼを着けた。



「涙、これどーしたの…?」



早妃が腕を見て言う。

「別に…、そういえばさー…」
そう言って話を逸らす。


早妃は親友だけど、リストカットのこととかは知らない。

そんなことを知ったら、同情を受けるだけだろう。




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