キ ミ イ ロ
同情、それも必要ない。
どうしてこの世の中、必要ないものが溢れているのか……
「夏休みさー…」
話し始める早妃。
窓の向こうの外の景色を見ながら話は耳に入れておく。
不意に、窓に愁が反射した。
愁は笑って話を聞いていたけど、さっき泣いたせいか、
目が赤く染まってた。
腫れぼったく見えた。
あと一週間。
夏休みだ。
夏休みはいつも暇だった。
家には誰もいなかったし、
いつも部屋でギターを弾くか、テレビを見るか、この4人と遊ぶか……
夜は家に帰らなかったし、いつも朝帰りだった。
何も言われたりはしなかった。
『どこ行ってたの?』
『どこでもいいじゃん』
この会話が繰り返されるだけ。