“シ”は幸せの音♪
~俺様バイオリニストと凡人ピアニスト
「ん?
どうしたの、朱子ちゃん」
朱子ちゃんは、先輩の後ろ姿
と、女の子たちと、掲示板を
見てオロオロしてる。
突然、朱子ちゃんがあたしに
掴みかかってきた。
「あれだよ、あれ!」
なっ、何?
「あの人が、菊池響介先輩
よね!?」
「う、うん…」
「そうか…
さっき、佳音が説明してて
まさかとは思ったけど」
だから、何が?
っていうか、なんであたしの
モノノーグが朱子ちゃんに
聞こえてるんだろう…
「この学校で、3年の
バイオリン専攻で菊池響介
なんて、あの人だけよね?」
「うん…。
だからどうしたの?」
「佳音…
あんたの今年のパートナー、
菊池響介先輩よ」