ただ、声をあげよう。
「いつ生まれる?赤ん坊」

「今年の終わり。正月には出てくる」

「そうか、双子だったな」

「どっちも男の子、順調だよ」

「お前も母親か。あんなちいさかったのに」

「もう結婚してから二年だもん。そろそろと思った」

「しっかりせんといかんよ」



ーわかっとるわー

そう答えかけてじいちゃんを見るとじいちゃんはもう目を閉じていた。

話しかけるのがためらわれてあたしもそのまま眠りに落ちていった。



扇風機の回る音が耳の奥のほうに聞こえていた.
< 12 / 44 >

この作品をシェア

pagetop