ただ、声をあげよう。
こえをあげよう
ばあちゃんが目を覚ましてごそごそと起きだす気配がする。
ダッコちゃんとキューピーちゃんを抱きしめて茶の間に入ってきた。
二つの人形に、いや彼女にとっての2人の子どもに向かって話しかける。
「美和。豊。お客さんが来とうよ。ご挨拶せんね」
あたしはばあちゃんに話しかけた。
「かわいいお子さんですね」
「父ちゃんが帰ってくるまでこん子たちを守っていかんといけん。
私はそればっかりを考えとうです。
奥さんももうすぐ生まれっとですね」
「はい。今年の終わりには2人子どもが生まれてきます」
「楽しみですね。体大事にしてください。
うちも双子ですたい。豊と美和といいます」
ばあちゃんはまるで花が開くように微笑んだ。
ばあちゃんの中で、時がまき戻って1945年で止まってるんだろう。
じいちゃんは、今のばあちゃんの中に存在してなくても、戦後を一緒に暮らした同士としてばあちゃんを守ってる。
あたしのほんとのじいちゃんが、昭吾が愛した人を。
ダッコちゃんとキューピーちゃんを抱きしめて茶の間に入ってきた。
二つの人形に、いや彼女にとっての2人の子どもに向かって話しかける。
「美和。豊。お客さんが来とうよ。ご挨拶せんね」
あたしはばあちゃんに話しかけた。
「かわいいお子さんですね」
「父ちゃんが帰ってくるまでこん子たちを守っていかんといけん。
私はそればっかりを考えとうです。
奥さんももうすぐ生まれっとですね」
「はい。今年の終わりには2人子どもが生まれてきます」
「楽しみですね。体大事にしてください。
うちも双子ですたい。豊と美和といいます」
ばあちゃんはまるで花が開くように微笑んだ。
ばあちゃんの中で、時がまき戻って1945年で止まってるんだろう。
じいちゃんは、今のばあちゃんの中に存在してなくても、戦後を一緒に暮らした同士としてばあちゃんを守ってる。
あたしのほんとのじいちゃんが、昭吾が愛した人を。