DV野郎とあたし


電話がきてあたしは,彼がいる場所へと向かった。
彼は白のアコードを乗っていた。
車高もかなり低く,フルスモ状態で,すこし心配だった。


こんな事して捕まんないのか?




と…。






『乗りなよ』





ボケッとしているあたしに,彼は声を掛けて助席に乗った。




『ごめんごめん』




『とりあえず水戸あたり行こうか』





『ぅん…』





明るく振る舞った。





本当の笑顔なんて見せているはずがない。
はっきり言って,この人はタイプぢゃない。






本人に言ったら間違いなく傷つくし,失礼になる。
だから敢えてそこは黙っとく。





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