海の上で、輝くアナタ。



「ンッ、」


ズキンッと頭が痛む。
ゆっくり目を開けると、目の前は真っ暗な空間が広がる。

体が、縛られているようだ。
イヤ、違う、

縛られているんだ…


気づけばそこは、真っ暗な小部屋で、板で作られた箱が4~5個あるだけ。
塩の匂いと、タバコの匂いがして、ゆらり、ゆらりゆれている。

そして自分はその端に、紐によってイスにしばられている。
ココは、船の中なのだろうか。海賊…そうか、海賊にでも連れて行かれたのだろうか…

そんなときだった。

「目、覚めたか。」

ハッと気づくと、目の前に人影があった。
真っ暗で、まったくわからないが、声を聞けば分かるさ。

男の人………

「こ、ココハ、どこですカ…ッ、わ、たしヲ…どうするおつもりですカ…?」

声は震えていて、出ない声を、無理に出して…
目からは、大きな涙の粒が次々にと頬をツたりながれ落ちる。

「そんなに怖がることはない…」

そういって、目の前の男の人は、麗華のあごをクイッと持ち上げ、顔を近付ける。

「お前、いい女だ…」

かすかな隙間から、光があらわとし、目の前の男の人の姿を映す。
サラサラとした、透き通るような綺麗な金髪に、海のように青く輝く瞳…

そして蒼い海賊服に身を包んだ姿……

「俺の女になれ…」

ニヤリと、笑った顔は、私の人生を変える事になった…




.
< 2 / 70 >

この作品をシェア

pagetop