海の上で、輝くアナタ。


「今…」

私はそのままゆっくり手を離してしまった。

「なぜ・・・ですか…っ、お母さん、お母さんっ!殺さないで、くださいっ、お願いですっ、いや、イヤッ!!!離さないで、一人に…しなっ」

ガタンッ!!!
ドカーンッと蹴られ壊されるドア、
イツモの…違う、少しあせったルイカンドさんがドアを勢い欲蹴り開けた。

「お母さんっ、お父さんっ、やだ、一人は、嫌ですっ、」

「っ、傍にいるから、な?」

私には理解することはできなかった。
今起こってることが、
どういうことか全くわからない。

『殺さないで』『一人にしないで』
そう泣き叫ぶカルチェさん。
『お母さん』『お父さん』
そう泣き叫ぶカルチェさん。

私は、何も、何一つ理解をすることができなくて、
いまただ…そう、

本当のお父さんのような背中をした、ルイカンドさんが…
カルチェさんを抱きしめ、安心させている姿しか…目に映らなかった。


「お父さ…ルイ…さんっ、」


そのまま、ぐったりしたと思えば、泣きつかれたのか、綺麗な寝息が聞こえた。

「ルイカンド…さん…」

「ただいま…また酒飲ませたのか?」

ハハッと苦笑するルイカンドさん。
そうやって笑える、事件ではないと想うんです…


私には、何もわからない…
何も、知らないんですよね……

皆さんのこと、


そして、


今起こってることさえ……



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