オレンジ色のキミ〔完〕
「あ、高木じゃーん!よろしく~!」

如月は篤に挨拶。
「高木」言わんでほしい…

「…あぁ…」

あー、やっぱり返事そっけな!!
あたしが挨拶したら絶対無視だな、こいつ。

ま、隣の席という不幸があっても、それ以外は関係…

「あ、職員室にプリント忘れた…んー…どうしよ…。一番最初の奴らっていうのは普通だし…。そうだなぁ…じゃぁ一番最後の片桐と高木、ちょっと持ってきてくれないか?俺の机の上に置いてあるんだけど」

とどめー!?
なんでうちらが!?

しょうがなくあたしは席を立って歩き出した。
篤も席を立ち私と距離を少しおいて後ろを歩く。
…あたし的には嬉しいけど…後ろにいるとちょっと…怖い…

それからずっと篤は後にいて、職員室に着いた。

「失礼します」

あたしはそう言って先生の机に向かった。
あ、先生意外と綺麗好きなのかな?妙にきれいだ…。

「…っと、これか」

たしかに机の上にプリントの束が2つあった。
さてっと…
あたしは1つの束を持ち出口へ向かう。
後ろのことなんて考えちゃいない。

でもちょっと失礼だったかな…?
普通は「あたしこれ持って行くから、これ持って行って」って言うのに…
でも会話したくない…
それに向こうだって返事しないと思うし…返事されたとしても『んなもん分かってるし。』って言われるのも嫌だし…

まぁ、いっか。

またあたしと距離をおいて歩く篤と私は教室へ向かった。






一言も会話しなかった。






あたし的にはちょっと苦痛だったな…
話さないっていうのは…
沈黙嫌いと言った方が正しいのかな…?
ホントにあの空気は耐えられなかった。。。

あたしは先生にプリントを渡し、席に戻った。


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