オレンジ色のキミ〔完〕
「じゃぁ今日はビデオ見るから好きなように座ってください」

生物の先生の声で、あたしたちは3人1組で使う机の椅子に座った。
あたしと如月は一番後ろの席についた。
あたしの隣には1つ空席がある。
全員がちゃんと席に座ってるならここの席には誰も来ない。



ガラッ



あたしは音の方を見…

…篤だった…

あー、自分ひどいなぁ…さっきっからずっと篤のこと嫌がって…篤ごめん…。でもやっぱり仲良くなろうとか思わない…ホントごめん。。。

篤は無言で私の隣の席に着いた。
…って…えぇ!?他にも空いてる席が…!!
ほら!あそこの女子の隣が!!あとはそこの…!!男子2人の間の席とか!!

「あれ?高木だー!珍しいね!女子の近くにいるの!」

如月の言葉に心の中で頷く。
だって女子嫌ってそうだから…

「…女子嫌いだから…あの間の席無理やり入っていくのもキモイだろ…」
「え?女子嫌いなら片桐はどうなのよ?」

おいおい!!別にあたしのこと言わんでいいよ!如月!!
篤も「…こいつ女子に見えない」とか言ったらぶっ飛ばすぞ!?
篤は私の顔を一回見て、如月に顔を戻して言った。
あ…初めて目ぇあった…

「…別に…うるさくないし、可愛子ぶってないし…嫌いじゃない…」
「へぇ!じゃぁ高木地味系が好きなんだ?」
「あたしが地味だと…?まぁたしかに地味かもしれないけど…」
「ちっ違うってば!!片桐は地味じゃないよ!!片桐よくしゃべるじゃん!!だから地味じゃない!!」
「…しゃべるしゃべらないで地味決まんないでしょ…」
「うー…ごめん片桐ー…」

そんなうちらの会話の中、いつものんびり(?)言葉を発する篤がハッキリと言った一言。




















































「地味嫌い。」









































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