オレンジ色のキミ〔完〕
一度も先輩とは話したことがなかった私。
いつも先輩を探して
見つけて
嬉しくて

いつも学校に行くのが楽しみだった。

それ以上先輩とは

何もない。

でもあの日は違った。



中学2年の夏。

「あっつーい!!」
「ホントホント…早く夏休みになってほしいよ…」

私の隣で歩いて、夏休みを待ち望んでいる「鈴木沙穂」。
そして私が「片桐彩」
今、私たちは美術室を出て廊下を歩いている。

「…おぉ!あそこにいるのはもしや~?」

にやにやしながら言ってくるからなんだろうと思って、沙穂の目線の先を見ると…。

男子2人の先輩が前から歩いて来る。
その片方の男子の先輩が私がずっと片想いしている「高木和哉先輩」。

前から歩いて来る…

どんどん距離を縮める…



うわっ!!

もうすぐ横に…!!



「どぉ~?先輩の横に居れて~?」
「横って…!!一瞬じゃんよ!!」

先輩と通りすがってから少し経って、沙穂がにやにやして聞いてきた。

でも内心ばくばくしている自分。
ホントにヤバい…

先輩への想いは今年になって最高潮に達している。







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