オレンジ色のキミ〔完〕
翌日。
「彩!!いつまで寝てるの!?遅刻するでしょ!?」
「…しないしない…へーきへーき…」
「寝ぼけてないで!!もう50分だよ!?」

あたしはバッと起き上がり文句を言った。

「なんで起こしてくれなかったの!?」
「いや、テレビに熱中してた。でも、目ざましかけても起きなかったアンタが悪い!!」

…たしかに…

「早くしなさい。友達が迎えに来てるわよ~」
「友達?」
「うん、男の子☆」

…男の子…
あたしの頭にはアイツが浮かんだ…
…でもまさか…ね…?

あたしは急いで制服を着て朝食も摂らず家を出た。
そしてあたしを待っていた人物…

「はよ…片桐さん…」

妖しい笑みを浮かべているコイツ…
あたしの考えが的中。

「…なんで…いるの…?」
「一緒に登校しようと思って」
「しなくていい」
「早く行かねーと遅刻すっぞ」

あぁ!!そうだった…!!
あたしは猛ダッシュで走る。

「おいおい、俺を置いてくなよー」

そう言ってあたしの隣に追い付いてきた。





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