オレンジ色のキミ〔完〕

なーなー、俺と付き合わない?

「…先輩…?」

先に発したのは如月だった…。

「片桐…好きな奴って…年上なの…?誰…?先輩って…」

ショックを隠しきれていない如月の声は切なく聞こえた…

本当ならば嘘でも「違うよ」って言えばいいのに、言えない…



それは心の底から先輩が好きだから…



「…片桐…?」

如月にどうしようもない罪悪感。

でもこの恋心をどうすればいいの…?

いくら好きだって言われても、あたしは先輩が好き。
しつこいかもしれないけど、それが本心なんだよ…?如月…



ごめんね…?



「うん、そうなんだ…名前は教えられないけど…」

あたしは如月の反応が怖かったため、教室を飛び出した。
ドアにもたれかかっている篤と一瞬だけ目が合った。



勝ち誇ったような顔…



ムカつく。
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