オレンジ色のキミ〔完〕
「彩ー、お友達来てるわよー」

一階から聞こえるお母さんの声。

あたしは階段を降りる。

誰だろ…?



あたしはその人物を見て目を丸くした。


「彩ー、遊びにきっちゃった♪」

満面の笑みを浮かべる。¨アイツ¨とは大違いの笑み。





「如月…どうしてあたしの家…」

どうしようか迷って、一応自分の部屋に如月を招いた。

「あぁ、高木に聞いた」

アイツ勝手に人の家教えたのか…!?

「俺、彩の好きな奴高木だと思ってた」
「ブッ!!」

飲んでいたジュースを吹き出した。

一瞬先輩のことだと思って焦った…!!
名字が同じだと、いろいろ面倒くさいな…

「どうして?」
「だって彩、入学式の時から高木のこと見ないように意識してんじゃん」

そんなに不自然だったのか、あたし!!

「違うよ。あたしはアイツのことなんとも思ってない」
「…俺さ…ホントに自分勝手なんだけど、好きな子が自分に気持ち向いてないと思ったら…冷めちゃうんだよね…気持ちが…」
「自分勝手だ!!」
「うん…。だから今俺、彩のことなんとも思ってないから…」

如月…

「だからおまえ頑張れよー!!」
「…ありがたいけど、ちょっと複雑…」


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