オレンジ色のキミ〔完〕
言った…
言った…?
言っちゃったんだ…
「好き」って言ったんだ…
好きって言葉にするたびに好きになる
どんどん好きになる…
ヤバい…顔から火が出そう…
「…え…?俺…?」
先輩はすごくびっくりしていた。
あ…自分悪いことした…
話したこともないのに「好き」だなんて…
そりゃ誰だって困るよ…
どうしよう…
「…あー…ありがと…」
困りながらも一応お礼を言う先輩。
「は?キモ」とか「おまえ俺と話したこともねぇのに、何ふざけたこと抜かしてんだよ」とか言う人いるけど…
…先輩ホント優しいなぁ…
でも、これ確実に振られるな…
言わなきゃよかったのかもしれない…
傷つきたくない…
涙がこぼれそうになった。
「あのさ、保留で良い…?ちょっと考えさせて…」
思いがけない先輩の言葉。
ただびっくりして…
「ごめん」
じゃなくて
「考えさせて」
嬉しかった。振られなくてよかった。
でも
なんか…
なんか嫌だ。