オレンジ色のキミ〔完〕
こんなにも前から先輩と逢ってたなんて…

「“和哉”…」

思い出した…。
あの男の子と別れる時、母親に一度だけ呼ばれた名前。



“和哉ー、もう帰るよー”



和哉…和哉…和哉…



「小学校に上がって何で先輩の顔見て思い出さなかったんだろう…」

先輩は覚えててくれたのに…



「ごめ…なさ…っ」




でもね…先輩…

あたしはずっと先輩が好きだから…

これからも…ずっと…





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