VANPAIA
口数少ない彼が来てから
三時間。
何故だか無駄に時間が
進んでくれない。

はぁ。

なぜならこの三時間、
ユーリウスはずっとあたしの
隣にいるからだ。


まぁ当たり前といえば
あたりまえよね。
だってあたしの隣しか
開いている席がないんですもの。


これから先もこんな状態が
続くなんて憂鬱で仕方がない。
まぁあたしに友達が出来れば
問題ないんだけど、
その見込みは0に近いしね・・・。


彼が来る前は皆なにを聞こうとか
散々盛り上がっていたのに、
彼の姿をみてからはただただ
彼をちらちらと見るしかしていない。
女の子達は見とれてもいる。

まあそれもそうよね。
彼からは近寄ってくるなってゆう
感じがただよっているもの。
なぜかはわからないけど。
私と同じ人見知りなのかな?

あーあ、彼が女の子だったらなあ。

あ、でももうちょっと親しみやすくてね。


一人考えていると
突然話しかけられた。


そう"ユーリウス"にね。

「名前なんて言うの?」


これにはさすがのあたしも
驚いた。

さっきまでは人を
寄せ付けないオーラを
放っていた彼が
いきなり私に話しかけてきたから。


「え、わ、わたし・・・?」



そうこわごわたずねると


「そう。」


当たり前だ、とでもゆうような
言葉が返ってきた。


「く、クレア。クレア・ミーニスト」







「そう。ならクレア。僕にこの学校を
案内してくれないか?」


唐突に言われた一言に
びっくりする。




「ダメかな」



じっと見つめられていきが
苦しくなる。思わず見つめてしまう。







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