VANPAIA
不思議
皆の視線が痛い。

先輩も男も女も関係なく
あたしたちをみてくる。

正確にはあたしたちじゃなくて
ユーリウス=レナルド、その人
ただひとりを見てるだけなんだけどね。



「で、ここが音楽室よ。
 あたし達が授業で使うのに
 必要最低限の教室は一通り
 回ったわね。
 でも覚えられないわよね・・・。」

あたしがぅーん・・とうなっていると

「大丈夫。大体頭に入ったから。」

ユーリウスはふわっと笑った。

あたしは少し赤面してしまう。

授業の前にユーリウスに
案内してといわれてから
何故だか動機が激しい。

き、気のせいよ、気のせい。
会って間もない人になんて
ありえないしね。

あたしは自分に納得させていた。

でも、どこか懐かしい感じがするのは
何故だろう・・・・・。

気のせい、よね・・・。

あたしが黙って物思いにふけっていると
突然ユーリウスが話し出した。」



「ねぇクレア。良かったら今晩
 僕と一緒にディナーに行かないか?」

ユーリウスの言葉に驚いて
あたしは物思いから我に返る。

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