VANPAIA
今ユーリウスが言った言葉は何?
幻聴?そうよね幻聴に決まってるわ。
あたしにこんな素敵な男の子が
誘いを掛けてくれるわけがないわよね。

あたしが色々と考えていると
ユーリウスはあたしを安心させるためにか
「今日案内してくれたお礼に。」


あたしははっと我に返り

「そ、そんなの全然いいのよ。
ちょっと案内しただけだもの。
お安い御用よ。気にしないで。」

あたしが笑っていうと

「きちんとお礼がしたいんだ。
それとも、僕と一緒なんていやかな?」

ユーリウスが苦しそうな顔をしていった。


ユーリウスのそんな顔を見ると何故か
あたしまで苦しくなってきた。

あたしは観念して「オーケー!今夜ね。」


と言うとユーリウスは


「ああ。」


と言いにこっと笑った。




どうしてユーリウスの笑顔を
見ただけでこんなに胸が切なく
なるんだろう、どうしてこんなに
懐かしく感じるんだろう。



あたしは自分の中の理解できない
感情に言いようの無い不安を覚えながらも
ユーリウスと今夜のことについて
予定を話しながら教室へと歩いていった。

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