魔女の小さな手の上で

「大丈夫か?」

「あーあ綺麗にぱっくり割れたな」


いつの間にか起きたのかシュシュが足の間をすり抜けティスカの手元に歩み寄る

「あのアスターさん、大丈夫なので寝てて下さい」

真っ赤な顔のまま立ち上がれば床には割れた食器があった。


「しかし」

「ほらほらティスカの言うとおり怪我人はじっとしてな」

そう言うシュシュは私の足元で押し出そうと頭の天辺で力一杯スリ寄せる。


「すみません、せっかくゆっくりしていたのに」

「いやいいんだが」

「ほら早くベッドに行きな」

そう言われ、しょうがないが怪我で痛い身体では何も出来ないのでベッドに腰掛け息を吐き出す。

少し動くだけで身体が悲鳴を上げる。


「悪いねあの子、人と口聞くの数年振りだから名前呼ばれて緊張してんだよ、しかも男のアスターだから尚更だろ」

シュシュは手で顔を毛繕いしながら何とも無しに話す


………そうか緊張して突然名前呼ばれ驚いたのか


あの顔の赤みは照れからか


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