魔女の小さな手の上で
「あ、おはようございます」
家に帰って来たティスカは黒いローブを纏いまた黒い先が折れた三角帽を被っていた。
「おはよう、朝から忙しいのだな」
「もう日課のようなものですから、朝一番で摘むのが一番効能が高いんですよ」
手に下げた籠から見える薬草はまだ朝露 を含んでいて青々している。
「今から朝食の準備しちゃいますね」
そう言いローブをハンガーに掛け帽子を窓際に起き見慣れた格好に戻る、何故だろうかさっきまでのティスカの姿が
「魔女みたいだ」
「えっ?」
「あぁすまない、今の格好が魔女みたいで……」
格好が魔女みたいだからと素直に口に出すべきではないな相手に失礼だな、魔女は禁忌とされているのに。
「すまない口が滑った今言った事は忘れてくれ」
「はぁ」