魔女の小さな手の上で
さくさくさくさく
雑草が生えている中うちとティスカは草を踏み分け今日の材料を調達しに 森の奥にある畑に向かっている。
この先には此処に住み始めた時ティスカと一緒に更地から耕して小さいがちゃんとした畑がある、その小さい畑で作物を育てている。
その畑に向かっているがティスカはどこか上の空だ、だいたい何考えているか解る。
今頃小さいティスカのベッドで寝ているあいつの事でも考えているんだろうが。
騎士なんか拾うんじゃなかったよ面倒だ。
ティスカはどうやら奴を気にいったみたいだ、何年ぶりかに触れ合った人間だからだろうけど、そうだと願いたい
「ティスカ」
「ん?」
「あまり深入りするなよあいつは騎士だ」
「…………うん、わかってる」
ティスカの顔が曇る
そんな顔をさせたいんじゃないんだ
ただティスカには静かに生きていてほしいんだ、だからこんな人一人来ない森の奥で寂しく暮らしている。
それにティスカのお母さんと約束した。
守るって。
だからもし、アスターの奴がティスカにその刃を向けたら、うちは躊躇わずアスターの命を奪う。