魔女の小さな手の上で



一般的に言えばこれは記憶喪失



冷静に自己分析してるがまずい非常にまずい、自分が誰だか解らない、名前も身分も年齢も


次第に冷や汗がにじみ出てきたのが解る

手を見れば手も包帯でぐるぐる巻きになっている、大層な大事故だったに違いない。



「ここはどこで自分は誰だ?」


「あっアスターさんおはようございます」


「…………」

誰に言ったのでもないのに返事が返ってきて顔を上げればそこには、ほっこりと暖かくなるような笑顔を自分に向ける少女がそこに居た。




………ん?


今彼女何て…………

「アスターさん?あれ違ったのかな」

「いやあってるよティスカ、こいつはアスターっつうんだよ」

黒猫が返事をしない自分の代わりに名前を肯定した、どうやら自分はアスターと言うらしい。



「私はアスターと言うのか」



「ど、どうしよう逆に聞かれちゃったよシュシュ、何て言おう」

「だったらヘタレぶーって呼んでやれ」
「へ、ヘタレぶーさん」

「私はアスターだ!」


「わーん!怒られた!!」






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