魔女の小さな手の上で
「すまない」
「い、いえ」
何とも言えないこの空気
確かにいきなり声を荒げた私も悪かったが、しかしヘタレぶーは無い
「何故私がアスターだと?」
気まずくなり目の前にいる少女に問い掛ける、そうだ私がアスターだと分かるのならば他のことについても知っているはずだ
「えっと持ち物に名前が書いてありまして」
何故目を逸らして言うのか疑問だがまぁいいだろう。
「他には解らなかったか?」
「他って……」
「あんちゃん、自分の事だろ、自分が一番知ってるはずだろ」
確かにそうだ、自分の事は自分が一番知っているはずだ、しかし今の私は恐らく此処に居る誰よりも自分を知らないだろう。
「すまないが…………私は自分が誰だか分からないのだ」
「「………………えっ?」」
唐突に言われた事に聞き返してくる二人、確かに戸惑うだろう、突然見ず知らずの人間が自分が解らないと言われても困るだけだ。
「もしかして……記憶喪失?」
「みたいなんだ」
「うわっ面倒臭いの拾ったなティスカ」