魔女の小さな手の上で
「………う」
「あっおはようございます」
体の痛みで目が覚め目を上げれば眠る前は明るかったのが部屋中が藍色に染まりテーブルでゆらゆらと揺れる蝋燭の暖かいオレンジの灯りが辺りを仄かに照らしている。
「大丈夫ですか?傷痛みます?」
「あぁ大丈夫だ」
窓は閉めてあり黄緑色のチェックのカーテンが閉めてある、少し肌寒いのか少女ティスカの肩にはきなり色をした毛糸で編まれたストールが掛けられている。
「お粥全部食べたんですね」
「お粥?………あぁあれか、せっかく出していただいた物だからな残すのは失礼だ」
どうやら昼間食べた物はリゾットでは無くお粥と言うらしい。
「苦くは無かったですか?」
「正直苦かった」
「ですよね早くよくなって貰いたくて薬草をすり混ぜたんです」
あぁだから若干緑がかったのか
「夕ご飯は薬を用意したのでそれを飲んでくださいね」
「ああ」
それから用意されたパンと野菜や具材が沢山入っているスープを食べティスカが食器を片付けてくれた。
「ティスカ」
「へっ!?」
部屋の奥に消えたティスカを呼んでみたら驚いた声とガシャン!と割れる音が聞こえ心配になり体は痛いがベッドから慌てて下り、引きずりながらティスカの元に行くと顔を真っ赤にしうずくまるティスカがそこにいた。