年下騎士
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中間考査が近づいて、なんだか皆がソワソワしている頃、
俺は図書室にいた。


中間考査なんてそんなに勉強しなくても良いんだが、
とりあえず体裁のために図書室で勉強している。



今日は何を勉強しようか…
じゃなかった
今日は何を勉強しているふりをしようか…



放課後になり、学校中から人気(ひとけ)がなくなっていく。
俺は適当に教科書やノートを入れた鞄を持ちながら、やはり人気のない廊下を歩いていた。


たまに「青山先輩さようなら!!」
と顔も知らない後輩から話しかけられ、
内心ちょっとうんざりしていたが、とりあえず笑顔で手をふった。


"図書室"と書かれたちょっと古汚いプレートを見つけ、中へ入る。

ほどよく人気のある図書室。
今は中間考査が近いからいくつもある机に、教科書やらなんかを広げている光景が良く目につく。
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