年下騎士
気がつくと、彼女は既にいなくなっていた。

いまいち良く分からない女子だなと思いながらも、
彼女が空けてくれた机を使うことにした。



古文の道具を広げて、眼鏡をかける。

予習でもするか………


「あ…青山先輩だ!」
「本当だっラッキー」
「眼鏡かけるとインテリ風で逆に良いー」

「彼女いるかな?」

「皆の青山先輩なんだから、それはないよー」



いつからお前らのモノになったんだ?俺は。

四方八方から聞こえてくる女子達の話し声に、心の中でツッコミつつ、シャーペンを動かしていた。


「さっきさ、ここで住吉先輩見かけたぜ。
今、青山先輩が使っている机で勉強しててさぁ」



ん?


俺はシャーペンの動きを止めた。


後ろの方で男子達がコソコソと話している声が聞こえた。


俺のとこ?住吉先輩?


……………


さっきの女子は住吉っていうのか。
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