年下騎士
そういえば、明日から中間考査が始まる。

考査が終われば、彼女は図書室に来ないだろう。


「考査2週間前から、考査が終わるまでいつも図書室で勉強をするんですよ。」と、いつしかの会話で聞いた。


唯一、本当の俺を見てくれた人なのに、考査が終わればそうそう会うことも無い。

考査が終われば彼女にとって俺は「図書室で勉強を教えてくれた人」でしかなくなるのか?
いや、時間が経てばそれ以下の繋がりでしかなくなるのかもしれない。

考査開始の日が近づくにつれ彼女のことを考えると胸が痛い。
…苦しいの方があってるか。



彼女との関係が、繋がりがなくなるのを恐れている自分がいる。



そんな想いも虚しく、時計の針はタイムリミットを刻んでいく。







……一つ、気がかりなことがあった。



いつも喋っている時の彼女は、何か不思議な雰囲気をまとっていた。
いや、なんだろう…違和感?

なんとも言い表せられない気持ちを抱いた。
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