年下騎士
ザワザワ…


テストが終わった喜びで、生徒の大半が有頂天になっている。



そんな生徒たちが群がって騒がしい廊下を、
彼女がいるかも分からない図書室目指して歩いていく。



いるか分からないけど。



―――――――――――
図書室に近づくにつれて廊下の人気はなくなあっていく。


「はぁ…疲れるね。」

先にある階段の辺りから声がした。

俺は変な反射神経が働いて、階段の近くにあった柱に体を潜めた。


「だぁから、香がキャラを作るからいけないのっ!」

「まぁ…そうなんだけど。」



香…?


明るく元気な声の持ち主は、アニメに出てきそうな声の持ち主を"香"と呼んだ。


タイムリーなことで…。



内心苦笑していた俺は、次に聞こえた声で全てが止まった気がした。





「住谷香は、外見に似合わずアニメ声で、実は甘えたがりです。
全然クールとかキャラじゃないですーなんて今更言えないよ…」
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