年下騎士
「すぅーはぁー……」

私は大きく深呼吸した。胸が高鳴りすぎて壊れそうだったから。



「大丈夫か?」

海斗君は私の顔を除き込んだ。

ちっ近いよぉぉ!!



「ぅっうん!大丈夫!」

「じゃあ…………」


くっ来る!!





「好き…だ」




やっぱり。何回か告白されたことがあったから、この雰囲気は分かっていたけど……………

なんか今までの告白された気持ちと違った。

『ごめん。貴方はズッキューンってこないや』

いつもの断り文句。

言えば良いじゃない。私。そんな風に、人の恋心を蹴っちゃえば良いじゃん。


でも、


「……!!!」


私の顔が熱くなる。初めてだ。



「千夏姉。俺を、親友の弟…香の弟としてじゃなくて、一人の"海斗"として見てくれないか?」



ダメだ

駄目

だめっ!



胸の高鳴りがおさまらない。香。私、ズッキューンってきちゃったよ?
< 12 / 123 >

この作品をシェア

pagetop