年下騎士
「俺は…君の全てに恋をした」

「全て……?」

「そう、全て」



良い終わると同時に、俺の胸は彼女の涙で溢れた。


なぜ気付かなかったのだろう。
この気持ちは恋だということを…



ぁあ。そうか。
俺はこの気持ちを長い間何処かに置いてきていたんだ……



「昔、容姿とは似合わないこの声と性格で悲しい思いをしました…」


俺の胸に顔を埋めながら語りだした彼女はそこで一回区切る。

多分、俺が聞くか聞かないかを問うためだろう。



「…続けて。」



彼女の過去だって受け止めたい。そんなこと当たり前じゃないか。

俺は頷きながら呟いて、静まり返った図書室で彼女は一拍置いてまた話した。



さっきまでとは違う声で。


「初めて中学校で好きな人が出来た時、思い切って告白したんです。」
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