年下騎士
数学の先生の呪文のような公式の説明。


頑張って年号を覚えさせるために語呂合わせを作っている歴史の先生の話。


窓から見える、汗をかきながらも100m走を走っている男子たちとそれをみている女子たち。


授業中なのに、先生に隠れて教科書で顔を隠して早弁してるクラスメート。


休み時間に自分の恋バナを興奮しながら話しているクラスメート。



今になって気がついた。
私はあの頃から周りをちゃんと見ていなかったんだなぁ…

何かしてるクラスメートも私にとっては、何かしている背景の一部としてしか見てなかったんだ…………


でも、これからはキチンと周りを見て、人として見ていこうと思った。


…………海斗君。
あなたのおかげだよ。
あなたが告白してくれなかったら、私は最悪な人生しか送れなかったかもしれない。
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