年下騎士
千夏姉の制服はもう着れるような状態ではない。


校舎にはほとんど人はいないけど、流石に下着姿で連れていく訳にもいかない。


「千夏姉、これ羽織って。」



俺は着ていたシャツを千夏姉に渡した。


「え……海斗君…良いの?」

「良いから羽織って。
ほら、立てる?」

「うん、ありがとう…
あれ?」



シャツを羽織った千夏姉が苦笑した。
立とうとしてるけど、立てていない。



「腰抜けちゃったみたいで……きゃっ!」



俺は千夏姉をお姫さまだっこした。
みるみる千夏姉の顔が赤くなる。
可愛い。



「いや、あのっ…海斗君大丈夫だから!」

「軽いし大丈夫だって。」


千夏姉の意見を却下し、千夏姉をお姫さまだっこして保健室に向かった。


「……海斗君…なんか騎士みたいだね…」


廊下でボソッと呟いた千夏姉の言葉。
俺には満点の誉め言葉。
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