年下騎士
手を握られて、海斗君の顔が近づいてくる。


"契約のキス"



でも……

「っっふっ………」

「千夏姉?」


キスする寸前、私は泣いた。



だって、これはファーストキスじゃないんだもん…


ファーストキスは好きな人としたかった…


海斗君が涙を拭いてくれる。その優しさにまた涙が出た。



「さっき…ファーストキスがっ取られちゃったんだもん…」

「さっきって…あいつら?」

「うん………」


コクン…


私は頷いた。
あんなファーストキスなんて消したい………
海斗君はちょっと笑って、


「じゃあ、そんなキスは忘れさせてあげる……」


海斗君は私の首に手をまわして、私も海斗君の首に手をまわした。

ドサッ


保健室のベッドに倒された私は、


深いキスをした。
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