年下騎士
―――
すっかりと暗くなった空。
たまにある蛍光灯が、私達にとっての光。



私の家まで送ってくれた香と海斗。


「じゃあ、今日はゆっくり休みなよー」


帰り際に香は、私の体を気遣ってくれた。
その顔は優しいお姉さんみたいだった。


「ありがとう。今日はお風呂入って寝ることにするね。」


つくづく、良い友達を持ったと思った。
答える私は、なんだかちょっと嬉しかった。

「じゃあ、またメールするから」と香が言って帰っていこうとした。




「千夏。これ…」


カサッ


「えっ?」


海斗が私に近づいて、小声で言いながら小さい紙を渡してきた。


受け取った私に優しい笑みを向けた海斗。


なんか…ドキドキするよぉ…



「…メールして」

「うん!」


帰ってく海斗から渡された紙に書いてあったのは、メールアドレスだった。


あとでメールしよ!
< 53 / 123 >

この作品をシェア

pagetop