年下騎士
「いきなりさ、千夏が中学生の頃、
恋する顔をしなくなったから…

もう、この子は青春の喜びを知らないで大人になっていくのかなってさ…」



私の顔を見ながら喋るお姉ちゃん。

たまに
「好きな子できたー?」とか言ってきた事は覚えてる。


私は「いないし。」って返事したっけ。


でも、あれは、からかって言った訳じゃなかったんだね…



心配してくれてたんだ…


目頭がじわじわと熱くなってきた。



「だからさ、千夏がキスしたって聞こえた時は、
すんごい嬉しかった!」

「お姉ちゃん…ありがとっ…」


ポロポロと涙が落ちていく。
そんな私をお姉ちゃんは抱きしめてくれた。


――――――――――――

「千夏さ、年下の海斗君をゲットするなんて!やるわねぇ」

「別にっ歳なんて関係ないもん!
海斗は私の騎士様なのっ」
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