年下騎士
――――――――――

その後、私は少しの間横になっていた。

それでも海斗は、ベッドの横にある椅子に座って、ずっと優しく頭を撫でてくれていた。



そんな幸せ雰囲気を壊したというか、邪魔したのは………………




バタンッ

「よぅ!若者達よ。
お姉さまがお帰りになったぞー」



いつの間に帰ってきたのか、私がドアの音で覚めた目で見たのは、


日曜出勤で会社に行ったはずのお姉ちゃんだった…


私は上半身を起こして、近くにあった時計をみると、午後4時だった。



ん?



まさかの登場に驚きすぎて、流石に私の脳は活動をフル回転し始めていた。



「会社勤めにしては、帰りが早くないですか?」


その通りだ。お姉ちゃんは一応、社長秘書でいつも帰りは遅い。

私の脳が、お姉ちゃんを突っ込みたくても、まだ本調子じゃないからそんな事は出来なかったけど、
代わりに海斗が訊いてくれた。



なんか鼻歌をしているハイテンションなお姉ちゃんを、私と海斗はただただ呆然と見ていた…………
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