年下騎士
海斗は私の手を両手で包んだ。


「千夏…イヤだった?」

「え?」


「さっき、早苗さんがワザと家を出たことに怒っていたから、俺と…「エッチするのがイヤだったかって聞いてるんでしょ?」



口ごもった海斗の言葉の上から、ハッキリとお姉ちゃんが言った。

そりゃぁ、いきなりでビックリしたし、体験したことのないものだったから戸惑った。
お姉ちゃんが私達にした余計な気遣いは、本当に余計だったと思うけど。



…………でも、


「千夏が嫌だったなら、私は嫌なことをしてしまったわ。
千夏に彼氏が出来たことに浮かれちゃって…ごめんね千夏。」



違うの。



「いえ。早苗さんは悪くないです。
俺がもっとちゃんと同意を求めていれば良かったんです。
すいません…」


それも違うの。



「違うの。

私、二人に愛されてるって感じてる。
今考えれば、二人は、私の事をちゃんと考えてくれてるって分かってるよ。」
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