お隣さんのSweetな王子はBlackな王子
保健室です。
気が付くと、世界が白と柔らかいオレンジ色だった。
「は?なに、これ…」
すると、左側から黒い何かが動いた。
「目、覚めた?」
視界がぶれているのが、だんだんとわかってきた…。
「白…崎…くん?」
「ここ、保健室。」
あぁ。オレンジの…カーテンか…。
「お前、あそこは立ち眩みだけですんだだろ。」
微笑みの王子降臨(コウリン)!?
いえ。これは微笑みの悪魔降臨です。
私はスッと目をそらす。
そして小声で
「そんなムチャな…」
あれは結構、痛かったよ。
つか、今もちょっと痛いし!
「…何?」
私の目をみつめて聞いてくる。
今の声、聞こえちゃったみたいですね。
まぁ、こんな静かな保健室ですから。
ん、でも…
笑顔は怖いのに…
か…かっこいい…
っておいっ!!←自分ツッコミ。
「もう一回言ってみな。」
その悪魔はさらに顔を近づける。
私は顔をそらすのに精一杯。
でも理由は考える。
たぶん、寝不足。
引っ越し、昨日だったし。
それに…あなたにも会っちゃいましたから…
そりゃ、色々考えてたら…寝るのが遅くもなりますよ。
「言いたいことあるなら言わなきゃね。」
この悪魔に…寝不足なんて言ったらバカにされそうで嫌だ。
「言わないとキス、するよ?」
な…!!キスは…嫌っ!!
「ね…寝不足です。」
うん。キスはいや。
って顔が近いっ!!
反射的に手で相手をガードする。
しかし簡単にその手を腕ごと押さえ込まれる。
怖くて目をつむる。
「…ダメ。」