お隣さんのSweetな王子はBlackな王子

抱きしめ…られてます。
心臓…やばい。

その時の私は夕希も城田君のことも頭から消えた。何か話している気はするけど。

今の私の頭の中は真っ白。


「藍、そろそろ帰ろ。送るから…」

そう言って王子は私の手をとりげた箱の方へと連れて行く。
たぶん、すでに夕希から荷物をもらったのだろう。私のバッグが王子の手に握られているのが一瞬見えた。

やっぱり、貧血…なんだよね。さっきからボ~ってしてる。
抱きしめられてからは…なおさら。


その時も、夕希と城田君の事は頭になかった。


『王子に手を握られている。』


その事がずっと…、

頭から離れない。


意識しないと歩けなかった。
時々よろめくと王子が私を支えるから、もっとヤバい。


私は…本当になんでこんなにヘンなのかな。

王子と会って、話してから…

昨日から…


絶対に…




ヘンだ。


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