お隣さんのSweetな王子はBlackな王子

降りてきて、今の状況をしっかり見ている私に気づいた王子。

顔が少しビックリして、口がちょっと半開きの王子を見ている私。


そして…目が合う訳です。



「………っぷ」

「な…なんだよ。」


思わず吹き出した私に王子がちょっとだけ赤面した顔をムスッとさせ、そう言った。


「その…なんか、あたふたしてるところを見ちゃったから…。」

「あ、あたふたなんか…してるか!!」


いやいや、どうみても…ねぇ?

お尻ついて、何も出来ずに呆然としている訳ですよ…?

これは、あなたの中では大混乱の末の「あたふた」でしょう。


「つか、これはお前が悪いと俺は思う。」

「え?なん…で…、あっ…!!」


なんでですか?と言い終わる前に気づいた。
と、いうか…

思い出した。




何度も言うように…

私は昨日、引っ越したばかりなのです。


急いでダンボールを片付けようと、鍋とか食器類は…適当~っに、しまったと思います。

ですが、私は「しまう」のが、昔から苦手なのですよ。

むろん、片付けとかもね。



つまり…

棚の中はぐちゃぐちゃだった訳だ。

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