お隣さんのSweetな王子はBlackな王子

「はい。じゃあ、白崎くん?」

随分とはっきり喋る子だ。
うん。やっぱり格好いい!!
そしてなんか凛々しいっ!!

←かなりノンキで他人事な私。

「なに?」

白崎はにこりと首を傾げる。

谷本さんはそれに顔を赤らめ、思い出したように咳きをする。

「ん゙ん゙。…なんで、このおん…じゃなくてこの子を選んだの?」

このおん…の時に私を一瞬だけ睨み、
じゃなくて、の所はかなり小声で言った。


うん。大変気になる質問だ。
私も是非ともそれは聞きたい。

王子ははにかむように…
「う~ん。一目惚れ…かな?」

「「なっ…!?」」

私と谷本さんの声が重なる。

「彼女」と言う肩書きのわたしが声をあげたから…
ちょっと不信に思われたかな?


王子の答えに…
私と、たぶんファン一同はこう思ったに違いない。

『嘘だっ!!』…と。

でも意味合いは私とはちょっと違うと思う。


「な、なんで!?他にもっと可愛かったり美人だったり性格いい子だって沢山いるじゃない!!」

まくし立てるように言う谷本さんはさっきの格好いい女の子とは一変して、
かなり焦っている普通の可愛い女の子になっている。

というか、これは『ありえない』という顔だ。



< 97 / 139 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop