最高級の召使
「楓さまは、強がっておられても
心はとっても繊細で
傷つきやすいご性格ですから
これからは、もっと
ご自身に自信を持って
前を向いて歩いていってくだされ。」



「楓・・・・
一緒に外国で暮らすかい?」

父が言ったけど


「だって、二人とも仕事を持ってて
結局私ひとりなんだもん。
それならここにいる。」

両親は顔を見合わせた。



「わたくしの孫がその代り
こちらのお屋敷にお仕えいたします。
孫には長い年月をかけて
召使の家系でございます。
そんな日もあろうかと
孫には厳しく躾けてまいりました。
わたくしの代わりに
楓さまをお守りいたします。」


じぃの細い肩が揺れていた。
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